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  岡本 浩

1 はじめに

本年9月4日、婚外子の相続分を婚内子の2分の1と定めている民法900条4号ただし書前段の規定が、憲法14条1項に定める法の下の平等に違反し、違憲無効であるとの、最高裁判所大法廷決定を得ることができました。法律の規定が憲法に違反し違憲無効であるとの判例は、これまでに8件あり、今回の決定が9件目となります。その中で、基本法の条文につき違憲との判断が示された2件では、刑法の尊属殺に関するものが1件あり、本件は民法に関するものなので、その2件目ということになります。その意味で、9件の法令違憲の判例の中でも、最重要な所に位置するものとなるかと思われます。また、相続分の割合に関する規定として、一般市民の日常生活に大きく関わってくるものであり、その意味では、社会に与える影響の面で、最も重大な法令違憲の判例になるかと思われます。

このような重要かつ画期的判例を得られる幸運に巡り合えたことは、私の生活の中で、最大の出来事であり、会報編集委員会の求めに応じ一文を寄せさせていただくこととした次第です。

2 最高裁判所大法廷の違憲決定に至るまで

(1) この事件は、昨年9月に特別抗告の申立手続をとり、小法廷に係属後、大法廷に回付されました。大法廷は、この件につき口頭弁論期日を開く旨を決定し、本年7月10日に口頭弁論の手続が行なわれました。この特別抗告事件は、遺産分割審判に対する高裁の決定の当否に対する判断をするものであり、口頭弁論期日を開くか否かは、最高裁の自由裁量に委ねられているというのが法解釈となっています。したがって、口頭弁論の手続を行うということは、判断結果の重大性を裁判所が認めたことによります。このような過程を経て、本年9月4日、大法廷は今回の決定を出しました。

(2)事件の出発点である和歌山家庭裁判所への調停申立は、平成17年7月でした。これに先立つ平成7年、最高裁は、婚外子の相続分に関する民法の規定につき、合憲との大法廷決定を出しています。したがって、調停を申し立てた当初、婚外子の相続分を定める民法の規定を、打破できるものとしては意識していませんでした。

しかしながら、具体的相続分をどのようにするかが詰められていく中で、本人より、「自分の取得分が婚内子の半分なのは納得できない」との申出を、たびたび受けるようになりました。それでも、平成7年決定がある下、「そんな主張をしても通らない」との説得をしていました。しかし、調停案を受けるか否かの瀬戸際で、本人が拒否を貫き、調停が暗礁に乗り上げることが続きました。こうして不調となり、審判手続へ移行したのですが、この段階になり、本人の「差別は受け入れられない」との主張が、より鮮明になってきました。このため、審判手続における法的主張として、憲法違反の主張を明確に打ち出すようになったのです。

(3)そのような折、同じ和歌山の事件で婚外子の相続分が争われた先行の遺産分割事件が大法廷に回付されるという事態が発生しました。このため、本件の審判は、最高裁の判断待ちということとなり、半年近く、審理がストップすることとなりました。したがって、この時点では、本件事件が今日のような注目を浴びる結果に至るなどとは、全く考えてもいませんでした。むしろ、先行事件で結論が出れば、本件もその結論に倣えということで解決するだろうと思っていたのです。

(4)ところが、前記の先行事件は、、「当事者本人による和解」という思わぬ事態となり、結果として、却下ということとなってしまいました。この却下を受け、本件事件は、一審において、憲法違反判断を正面から求めることへと転回したのです。しかし、この時点での転回ですから、本件より先に、他の事件が最高裁判所にたどり着くだろうと思っており、今日を予想することはありませんでした。

その後、審判、次いで高裁の決定で、共に合憲の判断が出され、これに対する特別抗告の申立をするに至りました。そして、特別抗告の受理が認められた時点に至り、「違憲判断が本件に対して下されるかもしれない」との思いに至ったのです。そこで、私などより調査力ではるかに優れた事務所の若手に応援を頼み、、この件に関する過去の判例や諸外国の動向・民法改正試案等々を詳細に調査してもらい、上告理由書を作成・提出しました。この上告理由書を受け、最高裁判所は、審理を第一小法廷より大法廷へと回付するに至った次第です。

3 大法廷での弁論

大法廷回付に関する報道の過熱ぶりから、私としても審判で違憲を主張しはじめた頃とは異なり、重大かつ責任のある事件展開となったことを、明確に自覚するようになりました。しかし、最高裁大法廷で弁論をするなどは、40年の生活の中で経験したことがなかったことであり、弁論をどのようにするのか、全くイメージ形成出来ない状況でした。その時、26期の同期・同クラスで郵便法の条文に関する法令違憲の判決をとった先人がおり、同君よりその時の新聞報道のコピーを送ってもらったことを想い出しました。そこで、彼に電話をし、最高裁大法廷での弁論とはどのようにするのかを聞くことにしました。同君の弁は、「上告理由書が出ているのだから、これを繰り返すようなことはしない方が良い。大上段に大演説をぶつ位でやったほうが良いのでないか」ということでした。これで、私としても吹っ切れたような思いになり、学生運動をしていた時代に帰ったようなつもりで演説をしてやるか、との決意を固めたのです。そこで、大法廷での弁論は、細かい法律論ではなく、本件に関する立法府の無力と司法の役割の大切さを強調するものとして展開することとし、その方向で弁論要旨を作成しました。そして、口頭による20分間(-ちなみに、時間はきっちりと守るよう指定されます-)の弁論を行ったのです。大法廷での弁論は、法廷の音響が非常に良く、弁論していくうちに自分の声の響きに気持ちが高揚する思いになり、実に気分の良いものでした。そして、この弁論に関する報道ぶり(-翌日の新聞社説に、弁論要旨の一部が 、そのまま援用されていました-)から、示した方向性の正しさを確信することが出来ました。

また、弁論を終えての記者会見の際、本人の質問への応答を見聞し、思いと意思の強さを感じることができました。この事件が、大法廷における憲法判断を求めるにまで至ったのについては、本人自身の強い思いがあったからこそであることを再認識させられた次第です。

4 最高裁判所大法廷決定に求めたこと

今回の大法廷決定に対し、期待していたことは、婚外子の相続差別を打破することは当然ですが、さらには、憲法違反が明確に宣言されることにより、司法がその輝きを示すことでした。

婚外子の相続分の差別的定めについては、過去の最高裁の決定中において、立法府が法改正によって解決すべきことを、何人もの裁判官が意見として表明していました。また、国連の人権委員会の勧告・法制審の改正試案呈示等々、立法によって解決すべきことが再三再四にわたって求められてきていました。ところが、我が国の立法府は、これに応えてこなかったのです。立法府のこの対応と現状を見る時、司法が、違憲を明言することによってしか、婚外子の権利救済は図れないと言わざるをえない状況に至っていたのです。この点につき、先に違憲判断した大阪高裁の平成23年決定(-確定-)は、「婚外子が少数者として民主過程における代表を得難いことが明らかになった」と述べ、もはや立法府に問題を委ねることはできないと明言していたのです。ちなみに、この高裁決定の裁判長は、26期の同期です。

今回の大法廷の判断においては、大阪高裁のこの勇断を踏まえ、司法府の最高機関として、明確かつ勇気ある決定を示すべきことを弁論しました。そして、これがなされてこそ、違憲立法審査権を最高裁判所に付与している憲法上の定めが生かされるものであり、同時に司法の存在感を社会に示すものとなると強調しました。

5 違憲決定を受けて

最高裁判所の今回の決定は、婚外子への不平等扱いを是正するというにとどまらず、長年にわたって君臨してきた民法の重要条文であっても憲法の前には無力であることを、国民に明快に示してくれました。三権の中における司法の輝きと存在意義を示すと共に、憲法の持つ重大性と役割を国民に示したとの両面において、本決定は、歴史に残る英断となったと受け止めています。このことの意味は、憲法をめぐる今日的状況の下で、限りなく大きいものになるとも考えています。

このような歴史に残る決定を得られたことは、平成7年の大法廷決定にかかわらず、違憲を訴えて挑戦し続けてきた婚外子とその代理人の先行する努力の積み重ねによるものであると思います。また、国連の勧告を引き出すべく地道な努力を重ねる等、婚外子差別の撤廃に向けて運動を続けてきた方々の努力の上に得られたものであります。最高裁の弁論当日、そして決定受領の当日、これらの方が、大勢で最高裁前に集まり、入廷する私・岡・土居の3名のを激励してくれました。この決定を得られたことにつき、私は、違憲判断を得るに至るリレーの最後の走者となる幸運を与えられたものですが、この途をつなぐ先行の走者を務めていただいた方々に感謝し、この稿のまとめとします。

追記
この決定直後の9月13日、26期の40年記念行事が有馬で開催されました。私のクラスからは20余名の参加があり、法令違憲9件のうち2件が同クラスのの手によって得られたことで、、、大いに盛り上がりました。

注:和歌山会「会報(第83号)」(2013年12月発行)より転載。